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2024/11/21 17:31 |
読みきりマンガ、「赤黒」のメッセージ等
pixiv内におきまして、いくつかご意見をいただいたので、長文にして返したいと思います。
本当は作品の意味などを解説するのは好きじゃないので、よっぽど興味のある人以外はできれば読まないでいただけると幸いです。








>作者の見解

このマンガで自分が伝えようとしたメッセージは、「少ない情報で判断するな」です。
主人公のレン君は、「ネットで見た情報」だけを頼りに、政府に対して「命と引き換えにしてでも悪人を皆殺しにしたい」と思って行動します。
そして現にネットの情報は全体的に右寄り だし、
大手のテレビや新聞は全て国がメディア各社に対して報道を許可して報道させていただいているという先進国ではただ日本だけが取り入れている最低最悪の悪法の下報道が行われています。
 

また、先の原発事故に対しても、相変わらず全ての情報がオープンにされていないし、よしんば開示した所で今の政府には信頼がありません。
また、オープンにしてないだけでなく、元原子力発電のエンジニアは「事故の全容解明には10年掛かる」と話しているように、まだ福島全容が分からない状態で、口が軽いでおなじみの野田首相は「柏崎刈羽原発は安全」と言い切ってしまいました。
また、原子力ムラも事故前と同じように「“原発が止まってるから”電力不足」「”原発が止まってるから”石油輸入に莫大な金が掛かっている」「“原発が止まってるから”電気料金が上がる」等という一言付け足した発言を、原発のキロワットあたりの発電コストを相変わらず安く見積もった上で言い続けています。
具体的に加わってないもの
>事故時の賠償
>原発がある自治体への設置代
>夜間の運転費用(夜間は発電できないため。今止まってる原発も、存在を維持してるだけで燃料棒を冷却し続けなければいけないというコストが掛かり続けています。
>廃棄物の存在そのものを「いつか再利用できる可能性あるから」として赤字に計上していません。
そうやって原子力ムラと野田がゴリ押して無理やり、奇跡的にあの程度の被害ですんだ福島原発を見習わずに30キロ以上の自治体に許可を貰わずに再稼動させたのに、野田はあたかも「説明責任をはたした」といった旨の発言をしています。


今あげた情報も、あくまで原発を取り巻く情報の一部であり、私が見聞きした情報自体が間違っていたりうろ覚えだったりする可能性があるので、決して鵜呑みにはせずに情報の一部として捕らえつつより多くの情報を知った上で自分で判断してくださいというのがこのマンガのメッセージになります。

故に私の見解は、「本当により多くの情報を知った上で発言しているのであれば当初の自分の意見と違っても日本国民の過半数」の意見を支持したいです。
が、逆に言えば「情報が不足している状態の上での判断なら自分と同意見でもNOと言いたい」と思っています。
難しいことですけどね。


>この作品のもうひとつのメッセージ

「何処にでも居る普通の子供」
レン君はバブル崩壊後に生まれた世代です。
そして「無口」『上京組』「(死んだクラスメイトと)話したことが無いけどあんなクズ話す価値もない」などの台詞から暗示させているのですが、彼は友達が少ないか、または居ません。
後者は「現時点のミクロな孤独感」、昔より割合が増えているとはいえ、昔から少なからず居た人々です。
が、前者は「社会的(マクロ)な、未来まで続く不安」で、その二つがそろった場合、彼の客観的な幸福は見出しにくくなります。
そして先進国の中でも明らかな劣等政府を生まれた時から見続けてきたレン君は、その政府を諸悪の権化と捕らえ、命と引き換えにしてでも破滅させたいと思います。
私はこのマンガを編集者さんに見せた際、「主人公の行動原理がもやっとしている。何か強烈なトラウマなどを植えつけるべきだった」と言われました。
確かにエンターテインメントとしてはそのほうが分かりやすくて正解でしょうが、私個人としては、
「あの薬があった場合、レン君と同じ行動をとる中二病世代の子供は恐らく全国に一人や二人じゃない」思っているので、彼は特別な人間ではない、だから特別な過去などを与えるべきではない判断しました。
他ならぬ私自身がそうです。
あの作品におけるレン君は過去の自分、おじさんは現在に自分の投影になっています。
また、同属を嗅ぎ分ける鼻的な感じで、本人に確認をとったわけではまったくないのですが、少なからずレン君要素をもつ考えの有名作家さんも作品を読む感じで数名居ると思っていて、勝手に仲間意識を持っています。


>女の子(夜赤さん

この漫画は自分が高校生の時に描いた前10話のマンガをリメイクして読みきり化したもので、
かつて奇子(あやこ)さんと呼ばれていたヒロインと、煉(れん)君のボーイ・ミーツ・ガール人外萌え反政府妖怪冒険活劇でした。
でも、このマンガの一番大きな要素のひとつである「レン君が薬を飲んだ理由」がわからないとそもそも全てが成立しないので、”それだけ”に集中させるためにそれ以外の全ての要素をカットしています。
(もちろん読みきりを読む人にはそんなこと知ったこっちゃ無いので、明らかにマイナス点なのですが)
以下カットした要素
・夜赤さんって誰だよ
・結局あのおじさんは何者なんだよ
・夜赤さんと、どう出合って、どう騙し取ったのか
・おじさんと夜赤さんの関係は?
・世界観



丸々描こうとすると、最低でももう20ページは増える試算です。
ちなみに編集さんには、「上記のことが気になって作品に集中できなかった」と言われてしまったので、完全に逆効果だったようです。

相当先になるとは思いますけど、元のマンガを描いたのがマンガの専門学校に通う前だったのに、いまだにを読み返すと「面白い」と思ってしまいますので、いつかなんらかの手段で完全版をお届けしたいなーと思っております。
完全版は全然違う話です。


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2012/06/19 19:53 | Comments(0) | 真面目なお話・もしくはアイデア

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